対象国: ドイツ
介護度(Pflegegrad)の申請:ステップ・バイ・ステップで解説
日常生活で継続的な手助けが必要な場合、介護保険の給付を受ける権利があるケースが多くあります。その鍵となるのが「介護度(Pflegegrad)」です。手続きが複雑そうに見えるため、多くのご家族が申請を遅らせてしまいがちです。しかし、実際の流れは思っている以上に明確です。
このガイドでは、介護度(Pflegegrad)の申請方法と、認定調査で何が重要になるかをステップ・バイ・ステップで解説します。
ステップ1:申請を行う
申請先は**介護保険組合(Pflegekasse)**です。介護保険組合は公的医療保険組合(Krankenkasse)に属しており、住所は保険証や医療保険組合のウェブサイトに記載されています。
申請は本人自身で行うことができます。また、委任状がある場合や法定代理人に任命されている場合は、ご家族が代理で申請することも可能です。
特に重要なのは日付です。給付金は手助けが必要になった日ではなく、申請した日から支給されます。すでに手助けが必要な状態であったとしても、申請を待ってしまうとその分の給付を受け取れなくなります。
申請は、電話、メール、手紙など、書式を問わず行うことができます。ただし、電話には「いつ電話したかを後から証明できない」というデメリットがあります。そのため、日付を明記した短いメールや手紙を送るのが望ましいでしょう。詳しい申請用紙は後日、介護保険組合から送られてきます。
ステップ2:相談窓口を活用する
申請を行うと、無料の**介護相談(Pflegeberatung)**を受ける権利が得られます。介護保険組合は2週間以内に担当者を指定しなければなりません。また、地域の介護相談所(Pflegestützpunkte)でも対面で相談できます。
ぜひ活用してください。相談窓口では、申請書の記入や認定調査への準備、他にどのような支援が利用できるかについての助言を受けることができます。
ステップ3:認定調査の準備をする
介護保険組合は調査員(Gutachter/Gutachterin)を派遣します。公的保険の加入者の場合は主にMedizinischer Dienst(医療公社)、民間保険の加入者の場合はMedicproofが担当します。認定調査は原則として自宅で行われますが、一定の条件のもと電話やビデオ通話で行われることもあります。
評価されるのは病気そのものではなく、日常生活における自立度です。そのため、以下の6つの領域がそれぞれ異なる重み付けで評価されます:
- 移動能力(10%)
- 認知機能・コミュニケーション能力、および行動・精神面(合わせて15%、より影響が大きい領域を評価)
- 排泄・入浴・着替え・食事などの身体介護(40%)
- 病気や治療への対処、例えば服薬管理や通院(20%)
- 日常生活や社会活動の維持(15%)
得られた点数によって介護度が決まります:
- 介護度 1(Pflegegrad 1):12.5点以上
- 介護度 2(Pflegegrad 2):27点以上
- 介護度 3(Pflegegrad 3):47.5点以上
- 介護度 4(Pflegegrad 4):70点以上
- 介護度 5(Pflegegrad 5):90点以上
適切な準備方法:
- 介護日記をつける。 1〜2週間、どのような手助けを行ったか、それにどれくらいの時間がかかったかを記録します。夜間の対応も含まれます。
- 書類を準備する。 診断書、退院サマリー、お薬手帳(服薬計画)、福祉用具などの資料を用意します。
- 無理をして取り繕わない。 高齢の方の多くは、調査当日になると無理をして良い状態を見せようとしがちです。悪い日も含め、普段通りの一日について説明してください。
- 同席者を頼む。 信頼できるご家族や知り合いに認定調査に同席してもらい、言い忘れたことを補足してもらうと安心です。
ステップ4:決定通知(Bescheid)
介護保険組合は原則として申請から25営業日以内に決定を下さなければなりません。入院中や緩和ケアの場合など、緊急を要する場合はより短い期限が適用されます。
介護保険組合が自らの責任でこの期限を守らなかった場合、遅延1週間につき70ユーロが支払われます。
調査報告書(Gutachten)が通知書に同封されていない場合は、請求することができます。落ち着いて内容を読み、記録した介護日記と比較してみましょう。
ステップ5:通知結果に納得がいかない場合
決定通知に対しては、1か月以内であれば異議申し立て(Widerspruch)を行うことができます。異議申し立てに費用はかかりません。
実際の生活と調査報告書の記述がどのように異なっているかを説明し、新しい書類を追加提出します。介護相談窓口や社会福祉団体(Sozialverband)などでサポートを受けることができます。
今後の見通し
連邦政府は2027年に向けた改革を進めています。法案では、新規の認定調査において介護度1〜3の点数基準を引き上げることが盛り込まれています。ただし、これはまだ正式決定されておらず(2026年10月22日時点)、既存の介護度については次の認定調査まで維持される見込みです。
いずれにせよ、現在手助けが必要な場合は申請を先送りすべきではありません。給付は申請した時点から開始されます。
ご家族の方へ
介護度が認定されると、介護度1から利用できる補足的負担軽減手当(Entlastungsbetrag)など、さらなる支援への道が開かれます。認定調査の日程や異議申し立ての期限などは、家族全員が確認できる場所に記録しておきましょう。そうすれば、後から確認の手間がかかりません。
本記事は一般的な情報を提供するものであり、法的助言に代わるものではありません。期限や規則は変更される場合があります。正確な情報はご自身の介護保険組合または介護相談窓口にご確認ください。
出典
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